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ほんとうにご無沙汰しております。
お蔭様で元気に忙しくさせていただいております。
さて、高気密、高断熱という言葉を耳にされたことのある方も多いかと思います。
今日は、高気密、高断熱についてお話したいと思います。
その前に、写真のような魔法瓶をお使いになる方も多いかと思います。
写真はサーモスというメーカーの魔法瓶です。
私はこれぞ正しく高気密、高断熱だと思います。
真空断熱材で断熱して蓋をキチンと閉めて気密することで、 温かいものは温かく、冷たい物は冷たく長時間保温出来ます。
この魔法瓶の断熱は真空断熱材となっております。
冷蔵庫も2002年に当時のナショナルが初めて真空断熱材の冷蔵庫を発売して、
消費電力を40%ぐらい削減することができ、今ではほとんどの冷蔵庫が真空断熱材となっています。
住宅で真空断熱材は現実的ではありませんが、LIXILなど一部メーカーではリフォーム用に住宅でもあります。
新築ではいろいろな種類の断熱材がありますが、弊社では硬質ウレタン(工場で圧縮されたウレタン)の断熱材を主に採用しております。
住宅用断熱材にはいろんな種類があり、断熱材の種類や厚みなどにより断熱性能は大きく変わります。
ここまでは、断熱のお話でしたがここからは気密についてお話したいと思います。
魔法瓶の蓋が空いていたり緩んでいたりすると保温性能が落ちるのは誰でも想像出来ると思います。
要するに住宅において隙間があることによって冷たい空気が足下に対流して寒く感じます。
従来の日本の住宅は目に見えない隙間が実はたくさんあります。
私が住んでいる約20年前の家では、冬場にコンセントに手をかざすと風があたるぐらいですが、決して珍しいことではありません。
あと、体感温度は室温と表面温度との関係で変わってきます。
(室温を高めにしても寒く感じるなど)
住宅の気密を高めることにより上下の温度差だけでなく家全体での温度差を小さくすることが出来ますので、ヒートショックのようなお家の中での事故を防ぎ易くなります。
交通事故での死者数が4000人/年に対しヒートショックで17000人/年の方がお風呂で亡くなっています。
それと、現在ではすべての住宅に換気が義務付られていますが、従来のように隙間のある家では計画換気が計画通りに換気出来てないの実態だと思います。
換気の面からも気密を高めることで効果的に換気が出来るというメリットもあります。
ストローやタバコなども出る所と入る所が決まっているから小さな力で吸えますが、穴だらけのストローやタバコを想像してみて貰うとなんとなく理解出来るかと思います。
以前、国の基準でC値(隙間相当面積)5㎠/㎡以下という基準がありましたが、私はC値1㎠/㎡を切れる住宅でないと吹抜けやリビング階段は造らない方がいいと思います。(C値は数字が小さいほど隙間が少なく性能が高くなります。)
温かい空気は上に登って行きますので寒くて光熱費がかかるなどのデメリットになることが多いからです。
現在、国の基準にC値は無くなりましたが、空気の漏れる魔法瓶でどうやって保温するのでしょう???
C値が1㎠/㎡を切れる住宅で吹抜けやリビング階段があること、1階と2階の温度差を小さくしやすくなるので吹抜けなどが、快適性や健康、安全面からもメリットに変わってきます。
C値は、設計で出せる数字ではなく現場で測定しますので大工さんの手間やコツなどによって大きく変わります。
高性能住宅において気密と断熱はセットで考えないといけないので、ちゃんと知識と技術のある工務店であれば両方をキチンと出来ると思います。
よく高気密にすると「息苦しいじゃないの」と言われることがありますが、そんなことはありません。
空気が無くなるわけではないので・・・
ダラダラと長い文章になりましたが、今週末の構造見学会にお越しいただけたら体験も含めてご説明させていただきたいと思います。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。